過払い金請求とは
過払い金請求とは消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者に、支払い過ぎてしまった利息を取り戻す為の手続きのことです。
利息制限法とは何か
借入をする際の金銭の貸付には利息制限法という法律が適用されます。この法律は借入の金額に応じて利息の制限が定められており、債務者が重すぎる返済の負担を抱えないように施行されたものです。
利息制限法上では
- 元本が10万円未満の場合～年利20％
- 元本が10万円以上で100万円未満～年利18％
- 元本が100万円以上～年利15％
が上限となっており、これらを超えた利息は払い過ぎているということになるのです。
過払い金が起きた訳
ではなぜここまで過払い金請求が起きてしまうのでしょうか。大手の消費者金融やカード会社が法律を守らないとは思えません。
しかし、よく考えると昔の消費者金融などは年利29%あたりだったと思うはずです。それは貸金業者が守る法律には出資法と利息制限法があったからです。出資法では年利29.2％を超えなければ刑事罰はありませんでした。その為、多くの貸金業者は出資法の年利29.2％で利息を設定していたのです。所謂グレーゾーン金利と呼ばれるものです。
しかし、2006年に最高裁判所でグレーゾーン金利を認めないという判決が下されてから、2010年に貸金業法の上限金利が利息制限法によるとされたのです。
そこで過払い金は取り戻すことができるとされたのです。
全額戻ってくるのか
過払い金は全額戻ってくる可能性は低いです。
弁護士への手数料
通常過払い金請求は弁護士や司法書士に依頼する必要があります。その為費用が発生しますのでご注意ください。
手数料の相場
殆どの弁護士事務所が成果報酬となります。相場は過払い金の20%です。
また手数料として1社あたり5万円、他にも相談料や事務手数料などが発生しますので、かなりの費用は覚悟する必要があります。
その為、依頼するところをちゃんと比較して、完全成果報酬のところを選ぶと良いでしょう。それでも20%でやってくれるところはあります。
自分でやるデメリット
それでしたら自分で行った方が良いと思われますが、デメリットもあります。
まず過払い金請求を準備する費用として2万円くらい掛かります。収入印紙代、郵便切手代、登記簿謄本を用意するだけで2万円は掛かるのです。
しかも交渉しても失敗する場合もありますし、貸金業者は満額返済してくれない場合もあります。
過払い金を請求するときの注意点
過払い金請求は自身で行うことも司法書士や弁護士に依頼して行ってもらうことも可能ですが、いくつか注意する点があります。
時効に注意
まず、過払い金請求は同じ貸金業者に一度しかできないようになっております。
そして、過払い金には10年の時効があります。
過払い金の対象者
- 2010年6月17日以前に借入を開始した方
- 完済してから10年以内の方
これを過ぎてしまうと、過払い金を取り戻す権利が消滅してしまうのです。
倒産したらどうなるのか
また、その貸金業者が倒産してしまうと過払い金請求ができないと言われております。
その為、早く請求しなければ本来なら受け取れるはずの過払い金を失ってしまうのです。
しかし同時に、過払い金請求にはデメリットもありますので、急いで実行する前にこれから伝えるデメリットを知った上で判断してください。
過払い請求をするとブラックリストに載ることも
過払い金請求をしてもブラックリストに載ることはありません。
しかし、現在も貸金業者から借入を行っている方はご注意ください。過払い金請求をしても残額が残ってしまうと、信用情報機関に事故情報が登録されいわゆるブラックリストに載ってしまうことになるのです。
ブラックリストに載ることになると、過払い金請求した貸金業者だけでなく他の貸金業者からも借入ができなくなってしまったり、新たに住宅ローンやカーローン等も利用できなくなってしまいます。
また、クレジットカードに申し込んでも審査に通らなくなったり、クレジットカード自体が使用できなくなるということもあるといわれます。
クレジットカード会社の場合は要注意
クレジットカードのキャッシングを過払い金請求した場合、ショッピング枠の残高が過払い金より多いとブラックリストに載るケースが多いようです。
その為、弁護士の方等とよく相談してご依頼ください。
クレジットカード現金化は対象外
過払い金請求はクレジットカードのショッピング枠は対象外です。その為、クレジットカード現金化がよく高利息などと言われて問題となっておりますが、請求はできませんのでご注意ください。
このように過払い金請求はメリットばかりではなくデメリットもありますので、事前によく検討することが大切なポイントと言えます。
